エルメスは抱き合わせ商法ではないの?ドラクエIV事件と比較してみる

エルメスってバーキンやケリーを買うためには他のカテゴリーの商品を買って購入実績を積む必要があると言われていますよね。

これって抱き合わせ商法じゃないの?

法律的に問題ないの?

と言う疑問が湧いたので調べてみました。


抱き合わせ商法として認定された有名なドラクエIV事件と比べて考察をすすめてみます。


目次

ドラクエIV事件とは

本題に入る前にまずドラクエIV事件とは何だったのかおさらいします。

ドラクエIV事件は1989年に起きた事件で、ゲームソフト「ドラゴンクエストIV」が発売された時に起こったものです。

抱き合わせ販売の典型的な例として有名です。

当時、ドラクエIVが大流行して300万台を売り上げるなど社会現象となっていました。

とある卸売業者がこの人気を利用して、ドラクエIVを小売業者に販売する際に売れ残って在庫となっていた他のゲームソフトを抱き合わせて販売しました。小売業者は不要なゲームソフトを購入させられ、商品を選択する自由を侵害されました。

この行為は典型的な「抱き合わせ販売」と判断され、その卸売業者は公正取引委員会から排除措置命令を受けたという有名な事件です。


参考:https://www.valueup-jp.com/2021/04/15/column-vol22/
参考:https://tada-law.jp/litigation/541/


ふむふむ。

エルメスの世界で言えば、バーキンがドラクエIVで、不人気ゲームソフトがバッグ以外のカテゴリー商品と捉えられます。

この事件、エルメスに似ている・・・と感じざるを得ません。


最近話題のアメリカの集団訴訟についてはこちらから

【販売方法の違い】エルメスのバーキンとドラクエIV

では本当にエルメスとドラクエは似ていると言えるのでしょうか。

結論から言うと、ドラクエIV事件は抱き合わせ販売だったと認められましたが、どうもエルメスの販売方法は抱き合わせ販売だと認定される可能性は低そうなのです。

その詳細をみていきましょう。

抱き合わせる商品の性質がちがう

エルメス:消費者が選ぶ

バーキン販売では他の商品もエルメスの商品ですが、基本的にどの商品を買うか指定されてはいないですよね。

ま多岐に渡るカテゴリーの中から消費者自身が選んでいますので商品が指定されているとは言えません。

ドラクエ:不人気ゲームソフトが指定される

主たる商品は人気ゲームソフト、従たる商品は不人気ゲームソフトという主従関係が明確な組み合わせです。

人気ゲームソフトであるドラクエIVに抱き合わせて、不人気なゲームソフトを指定して販売したという点が問題となりました。

抱き合わせの明確性がちがう

エルメス:条件は不明確である

バーキンを買うために何をいくら買ったらいいのかという点は全く不明確ですよね。

人によってもちがうようですし、バーキンを販売するための明確な条件設定があるのかどうかはわからないというのが実態です。

ドラクエIV事件: 3本の不人気ゲームソフトという明確な条件があった

ドラクエIVを購入するためには3本の不人気ゲームソフトを購入する必要があるという抱き合わせでした。

これは条件が明確ですよね。

市場への影響がちがう

エルメス:市場へ影響しているかわからない

高級ブランド市場における競争への影響はどれくらいのものかという点も非常に不明瞭です。

エルメスの販売方法によって誰にどのような影響が出ているでしょうか

これを客観的に評価することは難しいです。

実際にはフリーのバッグが販売されていることも確認されていますよね。なので消費者が公正な市場での購入機会が阻害されていると言い切ることができません。

ドラクエ:公正な競争を侵害した

通常の商品の販売では卸売業者間で価格競争が起こることで消費者が適正な価格で商品を購入できる市場ができるとされています。

ドラクエ事件ではこの卸売業者間の能率競争を侵害したことが認められています。

これによって消費者が公正な市場から商品を買うことができなくなってしまったと判断されたのです。

販売方法の組織性

エルメス:販売方法の組織性や計画性は見当たらない

エルメスの販売方法は組織的なものでしょうか。

個人的にはエルメス社内では一定の条件や方針が示されていると推測していますが、結局その情報の出どころも噂に過ぎず、明確な証拠があるわけではありません。

エルメスの場合は抱き合わせ商法に近いケースとみられるケースを耳にしても、結局のところ人によって必要だった購入実績もちがいます。

個々によってケースがちがうため、組織的かつ計画的とは言えないのです。

ドラクエ:組織的、計画的な販売方法があった

ドラクエIV事件では一定条件以上の数量の入荷を希望した小売業者に対して企図されたものであり、組織的かつ計画的であったという判断がなされています。

また、大きな規模での抱き合わせ商法だったため、似たような販売方法が知れ渡ったり繰り返されたりするのではないかという懸念も指摘されました。


エルメスは抱き合わせ商法をしていない?

以上、エルメスのバーキン販売方法とドラクエIV事件について比べてみました。

私も調べる前までは、エルメスはガッツリ抱き合わせ商法してるじゃん!?取り締まれないの!?と思っていました。

でもその実態を証明するのが難しいからエルメスは抱き合わせ商法をしているとは言えないというのが答えでした。

エルメスに客を選ぶ権利がある?

よく考えてみるとたしかに抱き合わせというより「客を選んでいる」感じにも見えます。

私自身の経験でも「アレとコレをいくら買ったらバーキン出すよ!」なんて言われたことは一度もありませんし。

バーキンが欲しいといえば、「現在在庫がございません。」とまさにたまたまその瞬間には入荷がなかったという説明をされるのです。

さらに、物の売買は契約自由の原則が適用されるので、販売する側にも基本的には売る相手を選ぶ自由が認められるものですよね。

エルメス側だって誰に何を売るかを決める裁量はある程度持っていて問題ないのです。


でも押し売りみたいのあるよね・・・?(私見)

これも人によるんだとは思いますが、ときどき担当さんがとある商品を激推ししてくることありませんか?

「これはぜひ!絶対におすすめです。」「買わないともったいないです」と、結構強めの口調で真剣な目で一切の瞬きをせずこちらをジッと見られたことがあります。

経験が浅い私のような細客は、そんなに言われたら買わないと何かバッグ遠のきそうだなとか思ってしまうわけです。

押し売りとまではいきませんが、結構強めの圧を感じることはあります・・・

これは明白な抱き合わせではないかもしれないけど、全くクリーンかつフェアかと言われたらちょっと疑問が残る体験談だったりします。


エルメスの販売方法に対して思うこと(私見)

結局のところエルメスの販売方法は謎です。

いくら買えばバーキンが出てくるかなんて顧客は知ることができません。

謎というか、真実は闇の中です。


ここで思うのが、闇な方がタチ悪いのではないか!?ということです。

バーキン買わせてもらえなくてヤキモキし続けている私からすると「ドラクエみたいに〇〇をまるまる個買ったらバーキン売ってあげます。」ってはっきりと条件提示してくれた方が助かるんですけど。


よくわからないまま、いつかバーキンを買わせてもらえるかもしれないと、有り金はたいてエルメスに通うのです。

たっかいスカーフや食器を買ってもまだ実績が足りぬのかと、1万円のハンドクリームや5万円のブレスレットなど買う物を増やしていくのです・・・。

そりゃうなぎ上りで売り上げ伸びますよね。


でもなんだかなー。

たくさん買った人に優先的にバッグが回っているのは事実ですよね。

たくさん買った人がバッグ買えるというのはたしかに納得もできる部分はあるんですけど、そこらへんの線引きがわからないようになっているのが法律には引っかからないんだとしても、客としてはかえって不愉快な気持ちにもなってしまいます。


エルメス側からしたら、フリーも出しているから購入実績がない人でも購入できるケースはあると言えるし、たくさん買ってくれた人にはこっそり人気スペックを出していても第三者にバレて問題になることはないですし・・・うまくやっているわけですね。


後半ほぼ愚痴ばかりになってしまいました、すみません。

今回抱き合わせ商法について勉強してエルメスがいかに上手に商売しているかを理解することができた気がします。


【エルメスへお願い】バーキンを売ってください・・・!

ドラクエIV事件と比較して、エルメスの販売方法は抱き合わせ商法だと言い切れるだけの客観的証拠がないということがわかりました。

なので、残念ながらエルメスを批判しても自分が買えるようにはならないようです。

昨今のエルメス人気を見るとなかなか厳しい競争になりそうですが、夢見たバーキンを手に入れるために私も素直にがんばるしかありません。

と言いつつも、意見を言うのは消費者の自由ですから!エルメスには引き続き公正な購入機会を提供していただくことをお願いします!!

どんどんバーキンを作って販売してください!

エルメス様、どうぞよろしくお願いします!

この記事をシェア
  • URLをコピーしました!
目次